山を守る

山林の管理

森林施業の主な流れは以下のとおりです。


植栽
植栽
下刈
下刈

日本林業の最大の弱点は、再造林費用を含めた育林コストの高さと言われています。そこで、現在、低コスト造林の研究が進められており、コンテナ苗による植栽が行われています。これは活着率が高く、造林時期を選ばない、通年で植栽可能な苗であり、皆伐と同時に地拵え、及び植栽を実施することで、下刈回数を減らせないかとの試みです。また、植栽時期を選ばない為、労働時期を平準化できるメリットも持っています。九州でも平成21年度以降、植栽実績が伸びており、平成24年度には35万本に達する勢いです。

また、エリートツリーと呼ばれる、成長の早い苗木の開発も進められています。植栽後3~4年程度で樹高が10m以上になれば、下刈回数を減らせる事になります。今後の開発が期待されている分野です。


現在はシカによる獣害も大きな問題となっており、植栽時には出来るだけシカ対策用のネット(下記写真)を併せて施行するように対応しています。


シカ被害発生状況・シカネット設置状況
シカ被害発生状況 シカネット設置状況

次に枝打ち、除伐があります。


枝打ち
枝打ち
除伐
除伐

下の写真は、切捨て間伐実施前後の写真です。下草の生えないうっそうとした森林から、林内が明るくなる森林へとなります。これにより下草が生え、植生が多様化すると共に、表土の流出を避けたり、保水力を上昇させたりと森林の多面的な機能が増加します。切捨・搬出まで行う場合や切捨てのみの施業どちらもあります。将来の搬出を考えれば、切った材木が邪魔にならないよう、そして早く腐る様、細かく玉切り、集積しておくことが望まれます。


切捨間伐実施前
切捨間伐実施前
切捨間伐実施後
切捨間伐実施後

切捨・集積
切捨・集積

以下の写真は搬出間伐における伐採・枝払い・搬出作業の状況です。従来からのチェーンソーを用いた伐木・枝払いや今後主流となる高性能機械を用いた伐木・枝払い・造材作業の状況になります。


伐木作業
伐木作業

フォワーダによる搬出作業
フォワーダによる搬出作業
枝払い作業
枝払い作業

プロセッサを用いた玉切・枝払い作業
プロセッサを用いた玉切・枝払い作業

トラック積込作業
トラック積込作業

森林が成長したら、森林の成長速度や木材の質、搬出距離等の地理的要因を考慮しながら、単伐期での収穫か、長伐期の林分に仕上げるか、或いは傾斜が急であるなど地理的に不利な場合は広葉樹化、天然林化を考える等の検討が必要になります。


皆伐実施
皆伐実施
複層林化(長伐期)
複層林化(長伐期)