SGEC森林認証

 日本の森林は、資源の6割、面積の4割が人工林で占められています。それらの森林が有する役割は、立地によって多様です。脊梁山脈地帯に分布し国土の保全や水資源を涵養する上で重要な森林や里山林として集落の環境を保全する森林などがあげられます。SGEC認証制度は、そのような日本の森林資源の特性や様々な自然的・社会的立地に即応して認証を進める我が国独自の制度です。


 SGEC森林認証には以下の二つの認証があります。

◇森林管理(FM)認証

SGEC森林管理認証基準(7の基準)等に基づく森林管理の認証

◇CoC認証(Chain of Custody))

SGEC・CoC認証ガイドラインに基づく認証生産物(認証材等)の生産・加工・流通工程の管理の認証



 当組合では、2009年(平成21年)より、SGEC森林認証及び、CoC認証を取得し、環境に配慮した取組みを進めると共に、認証林産物の価値向上に向けて努力して
参りました。
しかし、費用対効果を検討し、今後しばらくは費用に見合う効果を得る事が厳しいと
考え、2016年(平成28年)の管理審査を受けない方針としました。

他にも以下の点を考慮し、今回の決定としました。
・東京オリンピックを控え、認証材利用の機運もありますが、九州にまで需要が出るのか疑問。
・森林経営計画も5年毎に見直しがなされ、現在保有する認証森林面積を維持が困難。


認証材が普及し始めたら、改めて認証取得を検討したいと考えています。
組合員の皆さまへご理解をいただきたく、疑問などございましたら、当組合本所までお問い合わせ下さい。宜しくお願い申し上げます。


森林認証、CoC認証取得の経緯

審査日時 審査内容 備考
2009年2月19~20日 現地審査 西原村、南阿蘇村、高森町の認証森林を対象。
有効期間:2014年3月30日まで
2010年2月26~27日 追加審査
管理審査
南小国町、産山村、上益城郡山都町の認証森林を追加。南小国共販所・蘇陽加工所清和工場の販売事業、木材加工事業、乾燥事業について、追加。乾燥事業は計画段階。
有効期間:2015年3月30日迄
2011年2月21~22日 管理審査 清和工場:乾燥器2基にて申請
2012年1月19~20日 管理審査 乾燥機蘇陽加工所移転・3機増設にて変更申請
2013年1月17~18日 管理審査 市町村森林整備計画変更
2014年2月27日~28日 更新審査 第一期、第二期取得分を合わせて審査
(認証番号枝番を統一)。
2015年2月16日~17日 管理審査 自己評価、マニュアル新様式。
PEFCを視野に入れた評価基準に沿って、
「苦情処理要領制定」
2015年の状況 ・県立高森高校竣工(認証材納品)
・広報第26号(9月発行)に、PEFCとの相互
 承認について掲載
・次回審査より、審査機関変更
2016年2月 管理審査
受けない
認証期間終了
2016年3月31日迄


SGEC『緑の循環』の7つの基準

世界的に推奨されている持続可能な森林管理の考え方をもとに、日本の現状にあわせてつくられた国際性を持つ基準で、以下の7つがあります。

基準一 認証対象森林の明示およびその管理方針の確定

森林をきちんと管理するためには、森林を所有する権利や利用する権利がはっきりし、さらに森林の管理状態が帳簿類で整理されていることが最低限必要です。また、森林を管理する自らの方針と計画が作成されており、その計画に沿って定期的に見直しをしながら管理レベルの向上を図ります。

基準二 生物多様性の保全

森林を管理する上で、「森林の豊かさ」を保つことが大切です。森林の豊かさとは多様な生物種が共存できることです。森林の中に生息する生物種は、動植物から微生物に至るまで互いに関係しあって生活しており、生物種に応じた森林の取り扱いが必要になります。また、貴重な種がある場合には特別な配慮をします。

基準三 土壌および水資源の保全と維持

森林がもたらす恵みの中でも、水資源の供給と土砂の流出防止は重要です。特に、森林は水源を守り、清浄な飲み水をつくり、海をも豊にします。このような恵みが保持されるように、伐採や林地開発など森林の利用に当っては注意が必要です。

基準四 森林生態系の生産力および健全性の維持

森林から得られる様々な機能や資源が長期的に安定して享受されるためには、伐採、更新、保育、間伐などが注意深く行われることが必要です。また、病害虫や山火事などの森林災害には常に対策を考えておくことが必要です。

基準五 持続的森林経営のための法的、制度的枠組み

国内法はもとより、国際的な条約や法規制を守るとともに、地域社会の伝統的あるいは文化的な慣習や生活上の権利を尊重することが必要です。

基準六 社会、経済的便益の維持および増進

美しい森林を眺めたり、その中に入って楽しんでもらうためには、地域住民や森林で働く人々などに対して、森林管理方針の啓発・教育を行うとともに、自然環境を守るパートナーシップを育てることが必要です。
また、持続的森林経営を推奨するため、認証森林から生産される林産物が、環境に配慮した資源として、他の林産物と分別・表示された流通の仕組みが整えられ、市民に信頼される環境貢献のブランドとして提供されることが必要です。

基準七 モニタリングと情報公開

森林状況は絶えず変化しているので、定期的に現場を調べ、それを地域の情報として共有化すると共に、森林の管理方針に反映させることが大切です。



 基準の詳しい内容は、SGEC森林認証基準へ

SGEC 「一般社団法人 緑の循環認証会議 : http://www.sgec-eco.org/
SGEC 認証について(全国森林組合連合会) : http://www.zenmori.org/sgec/